耳コピができるようになると、スコア代が浮き、耳の訓練にもなるため、ぜひマスターしておきたいものです。しかし、1からやろうとするとかなりの時間がかかり、途中で面倒になって投げ出してしまうこと必須です。
そこで、筆者の経験を元に、なるべく効率的に耳コピをするやり方とコツをソロとコードの場合に分けて説明していきたいと思います。
ちなみに、筆者はとてもめんどくさがりでどうしてもコピーしたいのにスコアがないという場合以外はちゃんと耳コピしてきませんでした。しかし周りの優秀なギタリストの方たちに聞いても耳コピは音感を養う上で大切らしいので、しっかり練習しておいたほうがいいと思います。
なお、一番はじめは効率の面からも正しいフォームを身につける面からもスコアのある曲からコピーし、答えあわせをしながらやっていったほうが良いでしょう。
ソロの場合
ソロパートを耳コピするのは、基本的には単音を追っていけばいいので、よっぽどの早弾き出ない限り比較的簡単にできます。ポイントをまとめると次のような感じです。
- よく聴く(できればイヤホンで)
- ギターが重なっている場合は一方のイヤホンで
- 低音カット、もしくは高音をブースト
- ポジションを変えてみる
- 早くて聞き取れない場合はフリーソフト等でスピードを落とす
- アレンジしてごまかす
1〜3. 基本は鳴っている音を聴き込む
耳コピの基本は何度も繰り返し聴くことです。一流のアーティストのように一回聴いただけで即コピーできる人はそういません。それでも、耳コピを何度もやり、経験を積むことで徐々にスピードは上がっていきます。
2.の一方のイヤホンで聴くというのは、ギターでは録音や編集の段階で出力するスピーカを片方に振ることが多く、また二本の場合は両側に振ることが多いため、余計な音の鳴っているイヤホンをはずすことで聴き取り易くなります。
3.は、基本的にギターソロは高音で鳴ることが多いためです。再生ソフトやコンポなどのイコライジングで調整できます。
4. ポジションを変えることで弾きやすくなることも
ギターソロは、アーティストの癖や音色等によりあまり使わないポジションを使用することもありますが、大体が良く使うポジションを中心に構成されています。
そのため、まずは良く使うポジションで弾いてみて、弾き心地や音色がなんかしっくりこないようであればポジションを変えてみると良いかもしれません。例えば「このポジションじゃ最高音まで上がりきれない」というときなどで効果的だと思います。
5. 早弾きはスピードを落として
CDやMP3の音源のスピードを落とせるフリーソフトを使うのも手です。音程を変えずにスピードだけ落とせるので、非常に便利です。筆者は昔、ガンズやマイケルシェンカーのコピーでよく使ってましたが、ソフト名を忘れたので検索してよさそうな「聞々ハヤえもん」を紹介します。
6. 最後はごまかす!
ある程度まで耳コピできたら、あとはそれっぽくごまかします。ギターソロは所詮飾りですので、決めるとこさえ決めていればなんとかなります。
ポイントはリズムとキーです。特にリズムさえ合っていれば、多少音を外しても観客にはわかりません。この2つができていればソロを作る練習にもなりますので、ぜひやってみてください。キーを考えるためには若干理論が必要になってきますが、耳コピできたところと同じ音を使えばほとんどの場合問題ありません。それかキーに合ったペンタトニックを使用してみるのも良いでしょう。
コードの場合
コードの耳コピは複数の音を聴かなければいけないため若干難易度が上がります。比較的簡単なのはパワーコードを多用した曲です。パワーコードは特徴のある響きですので、ベース音(ルート音)さえわかればすぐにできるようになると思います。
- よく聴く(できればイヤホンで)
- 一拍目のベースの音をよく聴く
- トップノートをよく聴く
- 大まかにメジャー、マイナーかであたりをつけ試してみる
- ポジションを変える
- 理論を学ぶ
1~3. 基本は鳴っている音を聴き込む
ソロの場合と同様、基本的には何度も聞き込み修正を加えながら完成させていきます。
2.のベース音については、ほとんどの曲はコードが変った一拍目にルート音をもってくるためです。また、3.のトップノートは、2.でわかったルート音とあわせて考えると大体のポジションを決定することができます。
4. とりあえず知っているコードを試す
ルート音とトップの音がわかればあとはその間に入る音をどんどん試してみます。その際には、明るく聴こえるならメジャーコード、暗く聴こえるならマイナーコードからはじめ、トップノートの関係も考えながらテンションノートを加えていったりします。ある程度基本的なコードを知っているとスムーズに進めることができると言えます。
5. ポジションにより響きが変る
なんとなく雰囲気が違うと思ったらポジションを変えてみるとしっくり来ることがあります。例えば開放弦を使うローポジションなら響きも広がって聴こえますし、高弦にいくほど音が硬くなっていきます。
6. 理論を活かす
理論は何のためにやるんですか?という質問をたまに見ますが、ひとつの例としてすばやく曲を分析するときに非常に役立ちます。
ダイアトニックコード内で収まる曲なら少し学べばすぐにコピーもできますし、転調が入った部分もいくつかのコードの候補を挙げることができるので、耳コピも楽になります。
当サイト内でもいくつかギターコード理論を紹介していますので、参考にしてみてください。
聴いたこともないギタープレイのコピーは動画もしくは諦める
耳コピに慣れてきたりギターがうまくなってくるといわゆるギターヒーローのプレイに憧れコピーしたくなってくると思いますが、ヒーローだけあってコピーもなかなか厄介なことが多いです。
そんなときはyoutubeなどで動画を見ながらのコピーが手っ取り早いでしょう。それでもできないようなプレイは時間の無駄になりますので諦めましょう。
ただし、どうしてもこんな風に弾きたい!というようなアーティストやジャンルがある場合には、徹底的に追求するのも面白いと思います。筆者の友人にも、初心者のころからメタルに憧れ弾きつづけた人がいますが、やはり「これが弾きたい!」という動機はものすごい原動力になるようで、1年足らずで自在に弾けるレベルまで成長していました。できそうもなくてもとりあえずやってみるという意気込みは大切なのかもしれません。
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