チューニングの甘さは、それだけでバンド全体の演奏の質を下げてしまいます。筆者の知り合いのギタリストで、ライブハウスのPA(音響を整える人)の仕事をしていた方がいるのですが、リハのときに音が狂っている初心者バンドの多さに嘆いていました。
せっかく一生懸命練習したのに、チューニングのせいで下手に思われてしまうのも非常に残念ですので、しっかりとやり方を覚えておきましょう。
1. チューナーを使う方法
チューナーはアナログタイプ(針が触れるようなもの)やデジタルタイプ、また、エフェクターのようにフットスイッチで起動するタイプなどさまざまなものがあります。
価格や使いやすさで選んでいいと思いますが、エフェクタータイプのものは練習中でもライブ中でもつなぎっぱなしで使えるため、あると非常に便利です。アコギの場合はネックに挟んでおくクリップタイプのものを使っている方が多いです。
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チューナーの使い方はいたってシンプルで、シールドを差し込んで弦を鳴らすだけのものがほとんどです。ポイントはペグの締め方です。一旦弦を緩め、合わせたい音よりも低くし、締める方向に回しながら合わせていくとチューニングがずれにくくなります。
2. 解放弦を使って合わせる方法
音叉を使ったり、他人の音に合わせていく場合には、5弦や6弦の解放弦をまず合わせ、そこを基準にすべての弦を合わせていくやり方があります。
このやり方は、チューナーを使った後の確認作業にも使えますし、5,6弦は太くチューニングがずれにくいためライブ中の時間のないときなどにも使えますので、ぜひ覚えてください。
標準的なやり方
まずは標準的で簡単なやり方です。
- 5弦開放弦をチューナー等でAの音に合わせます
- 6弦5フレットを1.で合わせたAの音に合わせます
- 4弦開放弦を5弦5フレットのDの音に合わせます
- 3弦開放弦を4弦5フレットのGの音に合わせます
- 2弦開放弦を3弦4フレットのBの音に合わせます
- 1弦開放弦を2弦5フレットのEの音に合わせます
ハーモニクスを使ったやり方
次は、より正確に合わせられるハーモニクスを使ったやり方です。はじめはハーモニクス音がなかなか出ないかもしれませんが、ほとんどのギタリストはチューナーを使っていようとこのやり方を使いますので、徐々にできるようにしてみてください。
まず、ハーモニクス音の出し方は、フレットの真上で指を弦に軽く触れ、ピッキングと同時に指を離します。そうすると、ポーンという音が出ると思います。このハーモニクス音に、他の音を同時に鳴らし共鳴させると、音のうねりが生じます。弦を締めながら音を近づけていくとうねりがなくなるポイントがありますので、そこにあわせていきます。
聴きづらい場合はエフェクター等で音を歪ませるときれいに鳴り、聴きやすくなります。この音が出たら、次のように合わせていきます。
- 5弦開放弦をチューナー等でAの音に合わせます
- 6弦5フレットのハーモニクス音と5弦7フレットのハーモニクス音を合わせます
- 5弦5フレットのハーモニクス音と4弦7フレットのハーモニクス音を合わせます
- 4弦5フレットのハーモニクス音と3弦7フレットのハーモニクス音を合わせます
- 6弦7フレットのハーモニクス音と2弦開放弦を合わせます
- 2弦5フレットのハーモニクス音と1弦7フレットのハーモニクス音を合わせます
ハーモニクス音を使ったチューニング方法は他にもあると思いますが、このやり方が見た目的には一番かっこいいと思います。すばやくできるよう練習しましょう。
バンド活動でのチューニング
ロックやブルースをメインに弾いている方はチョーキングを多用すると思いますが、チョーキングは弦を引っ張るためチューニングがすぐにずれてしまいます。特にライブ中は演奏に力が入り、ずれていることに気づかないことが多いですので、曲の合間などにでも気にするようにするといいと思います。
また、バンド全体のチューニングを合わせるためにも、個人個人のチューニングが終わった後に、ギターならコード、ベースならルート音を一斉に弾き、ずれがないかを確かめるとより全体のバランスのとれたチューニングができます。